シンセサイザーとメロトロン

日本でプログレッシブ・ロックと呼ばれたジャンルのキーボードの人が使っていた楽器にシンセサイザーメロトロンという2つの楽器がありました。

シンセサイザーは今でも使っている人が多いので、ご存知のかたも多いと思いますが、シンセサイザーはいろんな楽器の持つ音の波形を電気的に出すという楽器です。

だから、キーボード楽器ではあるけれど、バイオリンの音やトランペットの音や木琴の音などいろんな音が出せるのです。

でも、出来た当時はそういうシュミレーション的な使われ方より、シンセサイザーが作る独特の電子音が目当てで使っている人が多かったように思います。

このシンセサイザーの先駆者と言われるのが、アメリカの電子工学博士であるロバート・モーグ(「ムーグ」と日本ではしばしば呼ばれるが本人は「モーグ」が正しいと指摘する)博士であり、その可能性を追求していったのがエマーソン・レイク&パーマーのキーボード奏者のキース・エマーソンです。

今でこそ、シンセサイザーはボタン一つで音質を切り替えるようなコンパクトなシステムになっていますが、当時はプラグ同士を結線させるような仕組みで音質を変えるという複雑な機械であったので、キース・エマーソンは、本来ライブ演奏向けではなかったシンセサイザーというスタジオ機器をステージに導入することで、演奏者と機械の格闘という視覚的要素をロックにおけるステージ・エンターテインメントに初めて取り入れた功績者と言えます。

ケーブルが複雑に入り組んだパネルのつまみを激しく動かして演奏し、時にリボン・コントローラーを携えて客席に飛び込み、リボン・コントローラーに仕込んだ火薬をステージから打ち上げる様子は、当時オーディエンスはもちろん開発者のモーグ自身にも大きな衝撃を与えたようです。

そしてこのモーグ・シンセサイザーは、キース・エマーソンのアドバイスで様々な改良がされて行くことになるのです。

当初、シンセサイザーという楽器は単音しか出せなかったのですが、日本のYAMAHAが初めて和音が出せるシンセサイザーを作り、大きな話題を呼びました。

もっともシンセサイザーも当初はアナログ回線を使ったアナログの楽器だったのですが、次第にデジタル化されて行きます。しかし、古いアナログシンセサイザーの音色に独特の暖かさや華やかさがあるとして、アマチュア・プロを問わず現在でも愛用する奏者は多いようです。

これに対して、メロトロンという楽器はアナログ再生式(磁気テープを媒体とする)のサンプル音声再生楽器です。つまり、音階に対応した磁気テープを予め用意しておき、ある音階の鍵がおさればその音に対応した磁気テープのスイッチが入りその音が再生されるという仕組みになっているのです。

ですので、非常に立ち上がりが遅く、速弾きなど到底無理な楽器でした。ートルズが「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」で使って有名になり、ほかにキング・クリムゾンやムーディー・ブルースなども利用、レッド・ツェッペリンも一時期使用していました。

この楽器はサンプリングさえしておけば、たとえば大編成のストリングスの音を再現できるためイギリスの ミュージシャン・ユニオンは1967年、「メロトロンを使用することでバイオリンなどの演奏者を必要としなくなり、仕事を奪うものである」「音作りに協 力したミュージシャンは、その音が他人に使われても全く収入にならない」という声明を出し、後者の訴えはBBCでも問題になり、メロトロンの製造メーカーであるメロトロニクス社は協力 したミュージシャンに補償金を支払たりしています。

またこれを利用するミュージシャンにも厳しい制限がされてたこともあるといいます。

非常にデリケートな楽器だけに今ではかなり需要が少なくなっていますが、シンセサイザーやハモンドオルガンとともに、3大キーボードと呼ばれて来ました。

 

 

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


エッセイ

前の記事

一番好きな曲
エッセイ

次の記事

音楽の高尚さ